トイレットペーパーをトイレに流す
日本にいるとつい忘れがちとなりますが、世界の国々では上水道や下水道が日本ほどには整備されていない国が数多くあります。実はタイについてもそのひとつで、トイレットペーパーを直接トイレに流すことは避けなければならないことです。もしもトイレットペーパーを流した場合には、すぐに排水管が詰まってしまい、逆流してしまうおそれがあります。これは排水管の口径が狭いことや、水圧が低いことなどが原因です。ホテルのトイレなども事情としては同じですので、生活上は特に注意しておいたほうがよいでしょう。代わりにトイレには小さなゴミ箱が置かれているはずですので、そのゴミ箱のなかに使用済みのトイレットペーパーを捨てるようにします。
王室を批判する
わが国の皇室とも同様ですが、タイの人々が王室に対して寄せている敬意は相当に大きなものがあります。そのため安易に公共の場でタイの王室を批判するようなことは、厳に慎まなければならないことです。タイ国内にはしばしば国王の肖像画や紋章が入った旗などが掲示されています。これらに対しても敬意を払って取り扱うことが必要です。また映画は手軽な娯楽としてポピュラーになっていますが、上映前に国王を讃える映像が流れますので、外国人であってもその場で起立するのが礼儀です。タイと日本とを比較して大きく異なるところは、タイでは王室に対する不敬罪が法律に規定されているところといえます。もしも不敬な行為があれば逮捕されることがありますので、注意しておくに越したことはありません。
頭を触らない インドネシアと同じく
インドネシアでは子供の頭を撫でることがタブーとされている地方がありますが、これはタイの場合も同様といえます。タイでは人体のなかでも頭は精霊が宿る神聖な場所と考えられていますので、頭を触るという行為は相手に対してかなり失礼な行為にあたります。これは相手が子供の場合であっても大人の場合であっても同様です。したがって恋人同士などの親密な関係で、両方とも大人であったとしても、やはり頭を触ることは不快ととられるおそれがあるので注意したほうがよいでしょう。逆に人体のなかでももっとも低い場所にあたる足の裏は不浄な場所とされていて、足の裏をことさらに相手に向けるような行為も失礼にあたりますので注意が必要です。
お酒・アルコール
お酒・アルコールの取り扱いについてですが、タイの場合も日本と同様に法律上は20歳から認められています。そのほかにも販売される日や時間帯にも規制があり、日本のように年中いつでも購入できるわけではありません。ちなみに日本のコンビニエンスストアのような年齢確認はありませんが、販売時間を少しでも過ぎると売ってもらうことはできませんので、その点では不便といえます。実は商店のレジでは販売時間が記録されており、法律に違反をすると罰則があるため、かなり厳格に守られているという理由があります。そのほかにも宗教上の理由からお酒・アルコールの制限が加わることがあるので注意が必要です。こうしたタイ特有の仏教関連の休日には販売が禁止されています。
まとめ
タイでは国柄の違いによりやってはいけないことがいくつかありますので、あらかじめ調べるなどして注意を払うことが必要です。たとえばトイレットペーパーをトイレに流すと詰まりの原因となるため、ゴミ箱に捨てるようにします。またマナーのひとつとして他人の頭を触る行為は失礼にあたります。頭は神聖な場所とされていますので、大人と子供の区別なく、みだりに触ることは避けなければなりません。法律関連でも王室批判は厳禁で、日本とは違って不敬罪が規定されているほか、一般の国民にとっても敬愛の対象のため、安易な王室批判が大きなトラブルをもたらす可能性があります。お酒・アルコールに関しては、日本と同様に20歳から解禁されていますが、販売日や時間帯が制限されているほか、仏教関連の祭日など販売が禁止されている日があります。