左手を使ったらいけない
私たち日本人が無意識のうちにうっかりやってしまいそうなことですが、インドネシアでは幾つかの行為に関しては絶対に左手を使わないよう注意しなければなりません。なぜなら、一般に左手はトイレで用を足した後にお尻を洗う際に用いる不浄の手と見なされているからです。それで、お店で買い物をしてお金を払うとき、他の人に対して荷物など何か渡すとき、また他人と握手をするときなどには十分な注意が必要です。日本人の普通の感覚からすると、つい左手を使ってしまいそうになる場面が多いかもしれません。しかし、お金を払うときや何か渡すとき、握手をするときなどに絶対右手で行なうようにし、左手を使うことがないよう気をつけたいものです。
豚肉とお酒
人口の約九割がイスラム教徒であると言われるインドネシアにおいては、食事中に豚肉とアルコールは避けなければなりません。イスラム教では豚は不浄なものと見なされているため、ジャカルタなどには豚肉を提供するお店はほとんどないと言われています。また、一般に何でも手に入るコンビニなどでもアルコール類を購入することはできなくなっているため注意が必要です。仮にお酒を飲めるお店で食事をするような場合であったとしても、隣でイスラム教徒の方が食事をしていたらお酒を飲むことは避けなければなりません。加えて、イスラム教徒の前ではアルコール消毒も禁じられているため、アルコールを含んだウェットティッシュなどの使用も避けるよう気をつけるべきです。
頭を触らない
イスラム教徒の方々にとって、頭は体の中でも神聖な部位と見なされています。私たち日本人はつい子供の頭を触って褒めたり励ましたりすることがありますが、インドネシアでは頭を触るのはタブーとされているため注意が必要です。特に日本では、無意識のうちに撫でたり優しくポンポン叩いたりすることが習慣になっていたかもしれません。もちろん大人に対してむやみに触ることはまずないと思われますが、とりわけ注意しなければならないのは子供に対してでしょう。日本にいる時のような感覚で、何も考えず子供の頭に手をやってしまうことがあるからです。インドネシアでは、大人はもちろんのこと子供にも頭を撫でたり触ったりすることがないよう注意しましょう。
肌の露出はだめ
インドネシアの気候は年間を通して気温が高く、なおかつ湿度も高い国ですが、肌の露出はタブーとなっています。基本的なスタイルと言えば、女性の場合、襟付きのブラウスや丸首のインナーの上からカーディガンやジャケットを羽織るといったスタイルが多く、女性が肌を露出することはあまり好まれない傾向があります。そのため、インドネシアでは肘まで隠れるような服装を意識しておくのがよいでしょう。ビジネスシーンではない一般の生活となると、女性もスカートを着用する人がおりビジネスシーンほど厳格ではないと言われていますが、一般の道端で日本で着ているようなやや露出気味の服装をしていると目立ってしまうため、極力肌の露出は控えるべきだと言えるでしょう。
まとめ
このようにイスラム教徒の多いインドネシアでは、日本とは大きく異なる習慣がたくさんあります。そのため旅行で短期間インドネシアに行く場合であれ、長期滞在する場合であれ、とにかくそこで暮らす限りは是非とも現地の文化や宗教的事情などをしっかり考慮に入れて生活したいものです。上述したような、インドネシアでは絶対にやってはいけないことが何か、またそれが禁じられている理由をしっかりと理解した上で、インドネシアに出かけて行くなら不注意に彼らを不安にさせたり脅威と感じさせたりしないで済みます。相手の文化を良く理解し配慮を示せる良き旅行者また滞在者として是非とも歓迎される存在であるよう心がけることができるでしょう。