南アフリカは危険な地域が多い印象があり、日本人で留学先に選ぶ人はあまりいないのが現状です。しかし、南アフリカではそこでしかできない体験ができるほか、留学費用が安く済むなどの魅力もあります。たしかに危険な地域は存在しますが、そこを避ければ他の国と同じように生活することも可能です。南アフリカの留学費用、危険な地域について知っていきましょう。
南アフリカ共和国の魅力
南アフリカ共和国はアフリカの最南端にある国です。平野、標高3000メートル級の山、砂漠、サバンナなどがあり地形は変化に富んでいます。砂漠やサバンナは寒暖の差や極端な雨季と乾季があり過酷な自然環境となっており、野生動物も多く生息しています。
自然や動物に惹かれて、南アフリカを訪れる人も多いです。南アフリカ共和国にはもともと狩猟民族と牧畜民族が生活していましたが、オランダ人、アジア人、イギリス人が入ってきたため人種は多様となっており、宗教もキリスト教、イスラム教、ヒンズー教など多様です。
そのため地域ごとに宗教観から来る習慣に違いがあり、観光や留学に行く場合はそれぞれの地域での習慣の違いを知っておく必要があります。イギリスの植民地時代の影響で、街にはヨーロッパ風の建物が多く見られます。金やダイヤモンドが掘れる鉱脈があるほか、砂漠では石油も産出されるため天然資源が非常に豊かな国でもあります。主要都市のひとつであるケープタウンではブドウ栽培が行われており、世界的に有名なワインの生産地として知られています。ケープタウンは観光地としても有名で、海岸線、サファリ、ビーチなどの観光スポットが豊富です。
街並みが魅力的であること、娯楽が多いことからケープタウンは留学先、観光地として人気が高い地域です。南アフリカ共和国は魅力的な面も多いですが、価値観の違いや安全面から敬遠されがちです。しかし、南アフリカ共和国への留学でしか経験できないことが数多くあるのです。語学留学だけでなく大学留学、インターンシップ、ボランティアなど多くのコースが用意されており、日本ではできない貴重な体験ができます。ボランティアでは動物や自然環境の保護、インターンシップでは国際開発やマーケティングなどのプログラムが用意されており、南アフリカの豊かな自然環境などを意識した独自の経験ができるように配慮されています。
語学留学の面でも優れており、教師の家にホームステイしながらマンツーマンでレッスンを受けるなどのコースも用意されています。主要都市には語学学校も多く、ヨーロッパなど他国からの留学生も多いため英語の学習に集中できる環境です。日本人の姿がほとんどないため心細かったり不便な点も多いですが、他の人がしていない貴重な体験がしたい、日本人以外の留学生が多い場所で英語を学びたいという人におすすめの留学先と言えるでしょう。
南アフリカへの留学費用
南アフリカへの留学費用は一か月で30~50万、一年で120~350万程度が目安とされています。コースの違いや期間によって費用に大きな差があり、大学に行く場合はそれだけで300万ほどかかる場合もあります。選択したコースや大学や地域によってかかる費用が変わってくるので、金銭面での負担を減らしたい時には注意が必要です。
日本と南アフリカの航空チケットは往復で10~17万ほどですが、早割りを利用すれば費用を安く抑えることができます。また、日本から南アフリカへの直行便はなく、何度か飛行機を乗り継いでいくことになりますが、片道だけで丸一日近くかかる場合もあるようです。
航空チケットの購入には時期、留学先、利用する飛行機など決めることが数多くあるので、早めの行動が肝心です。大学の学費は一か月で4~12万ほどになります。ビジネスに関する事柄を全て学べるMBAという学位は習得までに多大な費用がかかることで有名ですが、南アフリカのスクールなら費用をかなり抑えられるということで留学先に選ぶ人も多いようです。
留学では宿泊場所も悩みどころですが、大学の寮かホームステイがおすすめです。ホームステイは一か月2~3万ほどで食事付きとなっており、現地に住む人のリアルな生活も体験できます。大学の寮は大学や部屋の種類によって値段がピンキリで、一年で10~50万ほどかかります。
留学では現地の食べ物が楽しみの一つですが、南アフリカでの外食はそれなりに料金がかかります。一食につき最低でも700円~1300円ほどかかり、おしゃれなレストランでは3000円以上かかることもあります。また、南アフリカではチップの習慣がある点にも注意が必要です。食事代の10~15パーセント余分に請求されるので、外食する場合は少し多めに持ち歩く必要があります。自炊ならば一か月で1~2万程度で済むので、生活費をなるべく抑えたい場合には自炊がおすすめです。
南アフリカの治安
南アフリカにはいくつか危険な地域があります。特に治安が悪いのは主要都市であるヨハネスブルグです。こちらでは移民に対する教育環境と労働環境が不足していたため、困窮した者が犯罪を犯すようになり、富裕層は街を離れ移民が定住したという経緯があります。そのためマフィアの縄張り争いや金銭トラブルや性犯罪が日常的に発生しており、観光に訪れた人や留学生が犯罪に巻き込まれるケースもあります。店のスタッフやバスなどの乗客が全員犯罪組織であるケースもあり、街を歩いたり店に入るだけでも命がけです。
海外の都市は人通りの多い場所を日中歩けば安全な場合が多いですが、ヨハネスブルグでは安全な場所が少なく観光や留学には向いていません。日本人観光客が多いケープタウンも、実は犯罪率が世界トップクラスに高いことで知られています。ケープタウンは地域によって極端に危険度が変わり、タウンシップ(スラム街)では恐喝、性犯罪などが日常的に起こっています。その犯罪件数はヨハネスブルグを上回っており、観光客や留学生がタウンシップに足を踏み入れるのは非常に危険です。ケープタウンの中心部は、スリや置き引きや車上荒らしの危険性はありますが比較的安全となっています。
南アフリカに限らず、外国に行った際は危険とされている地域に行かない、人気のない場所に行かない、夜は出歩かない、大金を持ち歩かない、中身が見えるバッグを持たない、肩にかけるバッグを持つ、荷物を手放さないなどの工夫で身を守る必要があります。もしトラブルに巻き込まれた場合は警察署に通報し、必要があれば日本国大使館に連絡しましょう。クレジットカードは支払いだけでなく病院などでの身分証明にも使われるので、常に持ち歩くようにしましょう。
まとめ
今回は、あまり情報がない南アフリカへの留学情報をまとめました。
日本にいてはできない経験がたくさんできる魅力的な留学先ですが、治安には十分注意して生活習慣や滞在先を選びましょう。