アイルランドと言えば、どのような印象をお持ちでしょうか。広大な自然、黒いビール、音楽、文学、さまざまな魅力がある島国がアイルランドです。日本と同じように大昔から自然を大切に思ってきたアイルランドは日本とどこか似たような雰囲気を持っています。
そんなアイルランドの、留学事情を今回はご紹介します。まずは1ヶ月間の短期留学を考えている人向けに、現地でぜひ体験しておくべきことや、おおよその留学費用をまとめました。
アイルランドはどんな国?
アイルランドはどこにあるの
北海道よりひとまわり小さいくらいの国土を持つアイルランドは、イギリスの西南に位置し、イギリスから植民地支配を受けていた過去もありました。
首都は「ダブリン」。アイルランド出身の著名作家、ジェイムス・ジョイスが書いた「ダブリナーズ(ダブリン市民)」でも有名な都市です。
アイルランドの公用語は
アイルランドの公用語は、アイルランド語(ゲール語)と英語です。しかし、イギリス植民地支配時代にアイルランド語の使用が禁止されたため、いまでも英語の方が主流となっています。
もともとあったアイルランド語の影響を受け、アメリカ英語とはアクセントに多少の違いがある英語を話します。
アイルランドの治安は
外務省が公開している「海外安全ホームページ」によると、アイルランドの犯罪件数は近年減少傾向にあるようです。治安は比較的安定しています。しかし日本に比べると繁華街等での窃盗や暴力事案は多いので注意が必要です。
アイルランドでやるべきこと
アイルランドは、雄大な自然を有した国です。もちろん都市部は発展しており生活に不自由はありませんが、少し離れると広大な自然が今も残されているのです。遺跡も多く残っており、タイムスリップしたような観光が楽しめます。
ブルー・ナ・ボーニャ
世界遺産にも登録されている「ブルー・ナ・ボーニャ」は、ボイン川の屈曲部に位置する遺跡群です。新石器時代の石室墳、立石、先史的遺産群などが見られます。そのうちの代表的な巨石遺跡が、「ニューグレイジ」「ノウス」「ドウス」です。これらはピラミッドやストーンヘンジよりも、500年から1000年も前に建てられていると推測されているんだそうです!たいへん興味深い遺跡をぜひ、自分の目でみてみたいもの。
ブルー・ナ・ボーニャを見学するには、ダブリンから出ている日帰りツアーに参加するのが確実です。
知的と美的の交差点!図書館
アイルランドで最も歴史のある図書館「トリニティ・カレッジ図書館」は、首都ダブリンにあるます。イギリスのエリザベス1世によって1592年に創建された、400年以上の歴史を有する図書館です。こちらには、ラテン語で書かれた福音書の装飾写本「ケルズの書」があり、世界で最も美しい本と言われています。アイルランドの国宝にも指定された貴重な本です。
入場には14ユーロかかりますが、歴史ある建物と国宝「ケルズの書」は見る価値があるでしょう。
外せない!アイルランドのグルメ
アイルランドの代名詞と言ってもいい飲み物が、黒いビールの「ギネス」。日本でも広く愛されているギネスですが、その生まれた土地がアイルランドなのです。本場のギネスは、泡の部分に「三つ葉のクローバー」の模様が描かれています。三つ葉のクローバーは、アイルランドでは非常に大事にされています。カトリックの精神である「三位一体」の象徴となっているからです。ぜひ本場のアイリッシュパブで「1パイント」頼んでみてください。
またギネスビールの工場も、人気な観光スポットです。
お土産にも大人気!幸せを呼ぶクラダリング
アイルランドの伝統工芸品のひとつがクラダリングという指輪です。「愛」を表すハート、「友情」を表す手、「忠誠」を表す王冠の、3つのパートが特徴となります。はめる指やその向きによって「既婚」「恋人募集中」など意味が違ってくるという面白みもあります。
地元では「愛と幸せの指輪」として結婚指輪にも用いられているようです。町の雑貨屋さん、ジュエリーショップで気軽に買い求められるので、立ち寄ってみてください。
アイルランドの1ヶ月間短期留学にかかる費用は
渡航費
日本からアイルランドへの直行便は、今のところありません。1回ないしは2回の乗り継ぎが必要となります。渡航時間が比較的短いのはイギリス経由ダブリン行ですが少々割高になります。安く抑えたい時は、香港や台湾などでの乗り継ぎがおススメです。
シーズンとして安い時期は、4・5・9・10・11・12月と言われています。
往復10万円以内で収まるプランもあるので航空券比較サイト等を使ってお得なチケットを探しましょう。
学費
さまざまな選択肢があるアイルランド留学ですが、ここでは語学学校に1ヶ月間通う想定で考えます。教材費を含めた入学金は、学校によってばらつきがありますが、約1.3万円になります。
授業料は1ヶ月で約7万円かかります。料金をさらに抑えたい場合は、都市から離れた学校を選ぶか、午後の授業コースを選択するかなどの対策があります。値段によって、授業の質も変わってくるので注意が必要です。
滞在費
アイルランド留学の滞在方法は、ホームステイが主流です。アイルランド人は気さくでフレンドリーな方が多く、会話を楽しみながら滞在できるでしょう。
ホームステイは1週単位で宿泊することができます。1週間の滞在費に1日2食の食費と光熱費を合わせて、約2万円かかります。もちろん為替レートによって変動することもあります。1週間2万円で生活できて自宅でも英語環境に触れられるのは大きなメリットだと言えるでしょう。
つまりアイルランド留学で1ヶ月間ホームステイした場合の料金は約10万円を見込んでおくと良いと思います。
生活費
ホームステイ先は必ずしも学校の近くにあるとは限りません。1ヶ月間の交通費を考えると1万円以上はかかることを念頭に置いておきましょう。
また、ホームステイの食事以外の食費は1万~2万円はかかると言われています。
その他
海外留学保険や携帯料金、交際費などかかります。
また、アイルランドの留学ビザは、3ヶ月以内の留学だと観光扱いとなるため、滞在許可の取得は必要ないようです。空港で入国審査をする際に、
・留学先の学校の入学証明証
・学費支払い済み証明証
・英文残高証明書(現金・クレジットカードの可)
・帰国便のチケットコピー(片道入国でもOKな場合あり)
を提示するように準備しましょう。
3ヶ月以上留学する場合は、学生ビザの取得が必要となります。
まとめ
今回はアイルランドでやるべきことと、1ヶ月の留学費用を紹介しました。
おとなりのイギリス留学に比べて、格別に安い費用で留学でき、またヨーロッパ各地への観光にも出掛けやすいアイルランド。
国内にも多くの歴史を感じるスポットや自然が溢れています。ぜひ留学先の一つとして考えてみてはどうでしょうか。